インビザラインは抜歯ありケースも対応できる?デメリットや費用も解説
「歯並びが詰まっているから、インビザラインするには抜歯必要かな…」
「抜歯が必要な歯並びでもインビザラインは対応できる?」
このように悩んでいませんか?
本記事では、インビザラインで抜歯が必要なケースと不要なケースを解説します。
インビザラインで抜歯をするメリット・デメリットや費用も紹介しますので、「せっかく費用をかけて矯正するから失敗したくない」という方も、ぜひ参考にしてください。
インビザラインで抜歯が必要なケース
結論から言うと、抜歯ありの矯正でもインビザラインは対応できます。
まずは以下の項目に分けて、インビザラインで抜歯が必要なケースを解説します。
- 歯が並ぶスペースが不足している。
- 親知らずが歯並びに影響を与えている
- 重度の虫歯や歯周病がある
ご自身の歯並びが当てはまるのか確認するために詳しく見ていきましょう。
歯が並ぶスペースが不足している
歯が並ぶスペースが不足している場合、抜歯が必要になることがあります。一般的に抜歯矯正では、小臼歯(前から4or5番目の歯)の歯を抜歯することが多いです。
スペース不足で抜歯が必要になるのは、以下のようなケースです。
- 出っ歯
- 受け口
- 叢生
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が下の前歯が前に出っぱっている状態の歯並びのことで、別名「上顎前突」とも言います。
顎のスペースが足りなかったり、もともとの歯が大きかったりすると、歯列に並びきらなくなり出っ歯になることが多いです。
【参考】:インビザラインで出っ歯は治る?矯正治療の前に知っておきたいこと
受け口
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことで、「しゃくれ」や「反対咬合」、「下顎前突」とも呼びます。
受け口の場合は下顎を後ろに下げますが、下顎のアーチが上顎よりも大きく、上顎に収まりきらない場合は抜歯が必要になってきます。
受け口の原因が、歯並びではなく骨格である場合は、抜歯矯正に加えて外科手術が必要になることも覚えておきましょう。
【参考】:受け口はインビザラインで治る?費用や治療方法、メリットを解説します
叢生
叢生とは、「歯と歯が重なって生えているデコボコの歯並び」のことです。
特に重度の叢生の場合は抜歯が必要になることがあります。
逆に軽度の場合は、抜歯をせずに後の項目で紹介する「IPR」だけでスペースを作ることも可能です。
親知らずが歯並びに影響を与えている
生え方によっては、親知らずを抜歯することがあります。
親知らずが横向きに生えていて、手前の歯を押し出すようになると、歯並びに影響が出てしまうため、その場合は抜歯が選択されます。
逆に親知らずが他の歯と同じように真っすぐ生えて上下で噛み合っている場合は、歯としての役割を果たしているため、抜歯をしないことが多いです。
このように親知らずの生え方によって、抜歯が必要になるかは変わります。
そして親知らずが顎の神経に触っている場合などでは、一般歯科ではなく大学病院などで抜歯になることもあります。
重度の虫歯や歯周病がある
重度の虫歯や歯周病がある場合は、その歯を抜歯することがあります。そのまま歯を残してもインビザライン治療が上手く進まなかったり、歯が自然に抜けてしまうこともあるからです。
特に重度に進行している歯周病のケースでは、抜歯せずに無理やり歯を残すと、その隣の歯まで歯周病が進行していく恐れもあるため、注意が必要です。
インビザラインで抜歯が不要なケース
インビザラインで抜歯が不要なケースでは、以下のような場合です。
- 歯並びの乱れが軽度
- すきっ歯
インビザラインにおける抜歯は、歯を並べるスペースを作るために有効な処置ですが、必ずしも必要というわけではありません。
症例によっては、抜歯なしで矯正できる場合もあります。ただし、実際に抜歯が不要かどうかは、クリニックでの精密な検査や歯科医師の診断が必要です。
インビザラインで抜歯をせずに歯を並べる方法
ここからは、抜歯をせずにインビザラインをして、歯を並べる方法を解説します。
- IPRでスペースを作る
- 歯列の幅を拡大する
- 奥歯を後ろに広げる
それぞれの歯を並べる方法を、詳しくチェックしていきましょう。
IPRでスペースを作る
IPR(ディスキング)とは、歯の表面を薄く削り、歯を並べるスペースを作る施術法のことです。
「削る」とは言っても、歯のエナメル質の表面を最大0.5mmほどヤスリをかけるように研磨する程度です。
歯を抜くことなくインビザラインができるため、スペース確保を目的として、一般的に用いられている施術です。
削る時の痛みもほとんどなく、虫歯のリスクが上がるといった心配もありません。
歯並びの乱れが軽度であれば、抜歯はせずIPRのみでインビザライン矯正が可能です。
ただしご自身と歯科医師では、歯並びの乱れの見解が変わることもあります。「抜歯が必要かはっきりさせたい」という場合は、一度クリニックで診てもらいましょう。
歯列の幅を拡大する
インビザラインには、歯列の幅を横に拡大する働きがあります。
独自の素材を使用し、マウスピースで時間をかけて力を加えることで、顎全体を横に拡大するのです。これにより、歯列が広がって歯と歯の間にスペースができ、歯を正しい位置に並べられます。
ただし、歯並びの乱れが重度な場合には、この方法は対応できない場合もあります。
奥歯を後ろに移動させる
インビザラインのようなマウスピース矯正は、奥歯を後ろに動かすことが得意です。
マウスピースをきちんと装着し続けることで、奥歯が後ろに動き、スペースが生まれます。このスペースにより、前側の歯も正しい位置に動かせるようになります。
顎が小さい方や親知らずがある場合は奥歯の移動が難しいですが、顎の骨に十分なスペースがあるケースであれば、抜歯をせずに矯正治療が可能です。
インビザラインで抜歯をするメリット
インビザラインで抜歯を行うには、以下のようなメリットがあります。
- 重度の歯並びを治療できる
- 歯肉の退縮を抑えられる
- 口元の突出感が改善できることが多い
抜歯を行うことで歯が並ぶスペースを十分にとれるため、対応可能な症例の幅が広がります。
そして正しい位置からズレて生えている歯を本来の位置に動かすと、歯の移動距離が大きいため、歯に無理な力がかかりやすくなります。
そうなると、歯茎が下がる「歯肉退縮」のリスクが高まることがありますが、抜歯を行うことでリスクを抑えられることも。
さらに出っ歯などの前歯の突出感なども改善できるため、美しい横顔を手に入れることもできます。
インビザラインで抜歯をするデメリット
インビザラインで抜歯をするのには、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
- 健康な歯を失う
- 治療期間が長引くことがある
- 食事がしにくい
インビザラインで抜歯をする大きなデメリットは、健康な歯を失うということが一番でしょう。
そして抜いた分のスペースを埋めるために、歯並び全体を大きく動かさなければならないことがあります。その結果、治療期間が長くなることも。
また、スペースが埋まるまでの間、食べ物が噛みづらくなったり、すき間に食べ物が詰まりやすくなるなど、食事がしにくくなるデメリットもあります。
インビザラインを抜歯なしで行った場合の失敗例
本来抜歯が必要なのに、無理やり抜歯なしでインビザライン治療を行った場合、以下のような失敗が起きることがあります。
- 噛み合わせが合わない
- 口元の突出感が出る
- 後戻りが起こることがある
後戻りは抜歯を行った歯列矯正でも起こり得ることがありますが、きちんとした噛み合わせを作っていない場合に、非抜歯矯正の方が後戻りしやすい傾向にあります。
後戻りを防ぐには、歯科医師からの指示どおりに保定装置を使用することが大切です。
インビザラインを抜歯ありで矯正した場合の費用と期間
インビザラインをするために抜歯を行うと、追加で費用がかかることが多いです。
矯正治療はごく一部の例を除いて、基本的に保険が適用されないからです。
自由診療のためクリニックによって費用は異なりますが、1本あたりの抜歯で3,000~15,000円程度かかります。親知らずの抜歯は1本5,000~20,000円程度です。
インビザライン矯正にかかる費用は、全体矯正でおよそ80万円~100万円ほどです。
そして、矯正期間は1年半~3年ほどかかります。抜歯を行うとスペースが空くため、歯の移動距離がそのぶん長くなる傾向にあります。
ただし、歯並びのケースによっては、抜歯することで歯がスムーズに動かせるようになり、期間が逆に短くなることもあるでしょう。
まとめ
インビザラインは抜歯ありでも対応できるケースが多いです。
ただし、歯並びの乱れが重度だったり、骨格的に問題がある場合は、対応できないこともあります。
「自分の歯並びを矯正する場合、抜歯が必要かだけでも知りたい」という方も、新宿デンタルオフィスにご相談ください。
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どうぞお気軽にご相談ください。