インビザラインで顎関節症になる?なりやすいケースと予防的な進め方

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【監修】 住友麻優子
/新宿デンタルオフィス院長新宿デンタルオフィスは2006年開業の顎関節症・噛み合わせ矯正専門歯科クリニックです。
審美性だけでなく、よい噛み合わせに仕上げるインビザライン矯正をご提案いたします。
新宿デンタルオフィスは2006年開業の顎関節症・噛み合わせ矯正専門歯科クリニックです。
審美性だけでなく、よい噛み合わせに仕上げるインビザライン矯正をご提案いたします。
インビザラインを検討しているものの、矯正で顎関節症になることはないだろうかと不安を感じている方は少なくありません。矯正がきっかけで顎が痛くなった、音が鳴るようになったという声を見かけることもあり、余計に不安が大きくなってしまうこともあるでしょう。
結論からいうと、インビザラインを受けたからといって必ず顎関節症になるわけではありません。ただし、噛み合わせや顎の位置を確認しないまま歯だけを動かす計画で進めた場合など、リスクが高まる可能性があるケースも存在します。この記事では、インビザラインと顎関節症の関係について事実をもとに整理し、リスクが高まりやすい状況と、そうならないための進め方について解説します。
インビザラインを検討する中で感じる、顎関節症への不安
インビザラインは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かしていく矯正方法です。ワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、取り外しができる点から選ぶ方が増えています。
その一方で、矯正を検討する過程で、インビザラインで顎関節症になるのではないかと不安を感じる方も多いようです。実際に、矯正中や矯正後に顎が痛くなった、口を開け閉めするときに音が鳴るようになったという体験談を見かけることもあります。
こうした情報に触れると、インビザライン自体が顎関節症の原因になるのではないかと考えてしまいがちです。しかし、矯正と顎関節症の関係は、それほど単純に一括りにできるものではありません。次の章から、インビザラインと顎関節症の関係について整理していきます。
インビザラインで必ず顎関節症になるわけではない
まず前提として、インビザラインを受けた方の全員が顎関節症になるわけではありません。多くの方は、噛み合わせが整うことで、むしろ顎周りの負担が軽減されたと感じています。
顎関節症は、矯正を受けていない方にも一定の割合で見られる症状です。ストレスによる食いしばりや歯ぎしり、片側だけで噛む癖、姿勢の癖など、矯正とは関係のない要因で顎関節症が生じることも珍しくありません。そのため、矯正中や矯正後に顎の痛みを感じたとしても、その原因がインビザラインそのものにあるとは限らないという点は押さえておく必要があります。
一方で、噛み合わせや顎の位置を十分に評価しないまま歯を動かす計画を立てた場合など、一部の状況ではリスクが高まる可能性があることも事実です。インビザラインという方法自体を過度に危険視する必要はありませんが、どのような進め方をするかによって結果が変わり得るという理解を持っておくことが大切です。
顎関節症のリスクが高まる可能性があるケース
インビザラインによって顎関節症のリスクが高まる可能性がある状況には、いくつかの共通した傾向があります。ここでは代表的なケースを整理します。
もともと噛み合わせや顎に不調を抱えているケース
矯正を始める前から、噛み合わせのバランスに偏りがあったり、顎関節に違和感があったりする場合、歯の位置が動くことで、その不調が表面化しやすくなることがあります。矯正前の段階で自覚症状がなかったとしても、噛み合わせの検査を通じて初めて偏りが見つかることもあります。
顎の位置を評価せず、歯の並びだけを目標に計画を立てるケース
マウスピース矯正は、専用のソフトウェアが歯の動きをシミュレーションしたうえで治療計画を作成します。この設計は、歯並びを整えることを主な目的として作られる場合が多く、一人ひとり異なる顎の位置や筋肉の状態までを十分に反映しきれないことがあります。歯並びの見た目を優先し、噛み合わせの土台となる顎の位置を確認しないまま計画を進めた場合、歯を動かした結果として噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節に負担がかかりやすくなる可能性があります。
装着時間の不足や自己管理が難しいケース
インビザラインは取り外しができる分、装着時間の管理が治療の経過に影響します。指示された装着時間を守れない状態が続くと、計画どおりに歯が動かず、噛み合わせが不安定な状態が長引くことがあります。噛み合わせが安定しない期間が長くなるほど、顎関節や周辺の筋肉に負担がかかりやすくなる可能性があります。
経過観察が不十分なまま治療が進むケース
治療の途中で噛み合わせの変化を確認せず、当初の計画どおりに進めてしまうと、想定と異なる方向に歯が動いていることに気づくのが遅れる場合があります。定期的な経過確認が行われているかどうかは、リスクを抑えるうえで重要な要素です。
これらに共通しているのは、インビザラインという方法そのものではなく、噛み合わせや顎の位置を診ずに歯の移動だけを進めてしまう進め方に、リスクが伴いやすいという点です。
顎関節症になりにくい進め方
前章で見たリスクを踏まえると、顎関節症になりにくい進め方には共通した特徴があります。
治療前に顎の位置と噛み合わせを評価する
歯並びだけでなく、顎の位置や噛み合わせのバランスをレントゲンやCTスキャンなどで確認したうえで治療計画を立てることは、リスクを抑えるための土台になります。歯を動かす前に、どの位置を基準にするかを明確にしておくことで、噛み合わせが不安定なまま歯が動いてしまう状況を避けやすくなります。
シミュレーション結果を歯科医師が確認し、必要に応じて調整する
マウスピース矯正の治療計画はソフトウェアによって自動的に作成されますが、そのまま採用するのではなく、歯科医師が一人ひとりの噛み合わせや顎の状態に照らして内容を確認し、必要に応じて調整することが望ましいとされています。骨の厚みや歯根の状態はCTでなければ確認できないこともあり、機械的な設計だけに頼らない視点が求められます。
経過を診ながら段階的に進める
治療の途中で噛み合わせの状態を確認し、想定と異なる変化が見られた場合には計画を見直す。こうした経過観察を挟みながら進めることで、噛み合わせが崩れたまま治療が進んでしまう事態を避けやすくなります。
装着時間を守りやすい生活リズムを整える
指示された装着時間を守ることは、噛み合わせを安定させながら歯を動かすうえで重要です。生活リズムの中で無理なく装着を続けられるよう、歯科医師と相談しながら進めることも一つの方法です。
こうした進め方は、インビザラインの効果を歯並びだけでなく噛み合わせの安定という観点からも高めることにつながる可能性があります。
矯正中に顎の痛みや音が出たときの考え方
矯正の途中で、顎に軽い違和感や音を感じることは珍しくありません。歯が動くことで噛み合わせのバランスが一時的に変化し、それに顎関節や周辺の筋肉が慣れていく過程で、一時的な違和感が生じる場合があります。こうした変化は、噛み合わせが新しい位置へ移行していく途中で起こることがあり、時間の経過とともに落ち着くケースもあります。
一方で、次のような場合は、様子を見るだけでなく歯科医師に相談したほうがよいと考えられます。
痛みが日に日に強くなっている
口の開け閉めがしづらい状態が続いている
音だけでなく、はっきりとした痛みをともなっている
違和感が数週間経っても改善しない
一時的な変化なのか、計画の見直しが必要な状態なのかを自己判断するのは難しいため、気になる症状があれば、次の通院を待たずに相談することをおすすめします。早めに状態を確認してもらうことで、その後の治療計画を適切に調整しやすくなります。
治療前に確認しておきたいこと
インビザラインを検討する際、顎関節症のリスクを抑えるために、治療を始める前に確認しておきたいポイントを整理します。
噛み合わせや顎の位置についての検査があるか
歯並びのシミュレーションだけでなく、噛み合わせや顎の位置についての検査が事前に行われるかどうかは、治療方針を左右する重要なポイントです。
治療計画の説明が十分に受けられるか
なぜその歯の動かし方を選ぶのか、噛み合わせをどのように整えていくのかについて、納得できるまで説明を受けられるかどうかも確認しておきたい点です。
顎に違和感や痛みがある場合、事前に伝えておく
矯正を始める前からすでに顎の違和感や噛み合わせの不調を感じている場合は、あらかじめ歯科医師に伝えておくことで、治療計画に反映してもらいやすくなります。
通院の間隔や経過観察の方針を確認する
治療中にどのくらいの間隔で通院し、噛み合わせの変化をどのように確認していくのかを、事前に確認しておくと安心です。
これらを治療前に確認しておくことで、インビザラインを受けたあとに顎関節症のリスクが高まる可能性を抑えながら、矯正を進めやすくなります。
早めに相談したほうがよい症状
矯正中に生じる顎周りの変化の多くは、経過を見ながら対応できるものです。一方で、次のような症状がある場合は、様子を見すぎずに早めに歯科医師や医療機関に相談することをおすすめします。
強い痛みが続いている
口が大きく開けられない、または急に開かなくなった
しびれをともなう
顎の音とあわせて、はっきりとした腫れがある
これらの症状は、噛み合わせの一時的な変化だけでは説明がつかない可能性があるため、自己判断で様子を見続けず、速やかに医療機関を受診してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. インビザラインは顎関節症の症状がある人でも受けられますか
顎関節症の症状がある場合でも、噛み合わせや顎の位置の状態を確認したうえで、治療計画を検討できる場合があります。まずは検査を受け、現在の症状に応じた進め方について歯科医師に相談することをおすすめします。
Q2. 矯正中に顎が痛いのは普通のことですか
歯が動く過程で、顎関節や周辺の筋肉に一時的な違和感が生じることはあります。ただし、痛みが強くなる、または長引く場合は、経過観察だけで済ませず歯科医師に相談したほうがよい状態である可能性があります。
Q3. インビザラインで顎関節症になるのが不安な場合、何を相談すればいいですか
治療を始める前に、噛み合わせや顎の位置についての検査があるかどうか、治療計画をどのように立てているか、経過観察をどのくらいの頻度で行うかについて確認しておくと安心です。すでに顎に違和感がある場合は、その点もあわせて伝えておくとよいでしょう。
Q4. 顎関節症になった場合、インビザラインの治療は続けられますか
症状の程度や原因によって対応は異なります。噛み合わせの状態を確認したうえで、治療計画を調整しながら続けられる場合もあれば、いったん治療を見直したほうがよい場合もあります。自己判断せず、歯科医師に相談したうえで方針を決めることが大切です。
Q5. 顎の音だけで痛みがない場合も相談したほうがいいですか
痛みがなくても、音が続く場合や次第に大きくなる場合は、噛み合わせの変化を確認する目的で相談しておくと安心です。
インビザラインと顎関節症の関係について不安がある方は、まずは噛み合わせや顎の位置の検査を通じて、ご自身の状態を確認してみることをおすすめします。ご予約は当院の予約カレンダーより承っております。