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インビザライン

矯正中に顎が痛いのは普通?一時的な痛みと注意したい危険サインの見分け方

住友麻優子

【監修】 住友麻優子
/新宿デンタルオフィス院長

新宿デンタルオフィスは2006年開業の顎関節症・噛み合わせ矯正専門歯科クリニックです。
審美性だけでなく、よい噛み合わせに仕上げるインビザライン矯正をご提案いたします。

新宿デンタルオフィスは2006年開業の顎関節症・噛み合わせ矯正専門歯科クリニックです。
審美性だけでなく、よい噛み合わせに仕上げるインビザライン矯正をご提案いたします。

インビザラインをはじめとするマウスピース矯正を始めてから、顎に痛みや違和感を覚えるようになったという方は少なくありません。装置を入れた直後だけでなく、矯正が進んでいく途中で急に痛みが出てくることもあり、これは普通のことなのか、それとも何か問題が起きているのかと不安になってしまうこともあるでしょう。

矯正中の顎の痛みには、歯が動く過程で起こる一時的なものと、注意して歯科医師に相談したほうがよいものの両方があります。この記事では、その見分け方と、痛みがあるときにどう過ごせばよいかについて整理します。

矯正中に顎が痛い、これは普通のこと?

マウスピース矯正では、数週間から十数日ごとに新しいマウスピースへ交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。交換のたびに歯が締め付けられるような感覚があり、それに合わせて顎まわりにも違和感を覚える方は珍しくありません。

一方で、痛みの強さや続き方には個人差があります。少し圧迫感がある程度で数日おさまるケースもあれば、口の開け閉めがしづらいほどの痛みが続くケースもあり、同じ矯正中の痛みといっても中身はさまざまです。

まずは、矯正中に顎の痛みが起こる理由と、様子を見てよい痛みと注意したい痛みの違いを順番に整理していきます。

矯正中に顎の痛みや違和感が起こる理由

矯正中に顎の痛みや違和感が出る背景には、いくつかの要因が関わっています。

もっとも多いのは、歯が動く力が周囲の組織に伝わることによる一時的な反応です。マウスピースが歯を動かそうとする力は、歯だけでなく、歯を支える骨や歯ぐき、噛み合わせを介して顎関節や周辺の筋肉にも及びます。歯並びが変化していく途中では、これまでとは違う当たり方で噛むことになるため、顎の筋肉がその変化に慣れるまでの間、違和感や軽い痛みが出やすくなります。

また、マウスピースそのものに慣れていないことが影響する場合もあります。装着している間は上下の歯の間にマウスピースが挟まった状態になるため、噛み合わせの感覚がふだんと変わり、顎を動かす筋肉に余計な力が入りやすくなることがあります。

さらに、歯を動かすことで噛み合わせ自体が変化していく途中の段階では、噛んだときの当たり方が一時的に不安定になることもあります。こうした変化の過程では、顎関節や周辺の筋肉に負担がかかりやすくなる場合もあります。

様子を見てよいことが多い一時的な痛み

矯正中の顎の痛みの多くは、時間の経過とともに落ち着いていく一時的なものです。

どんな痛み方をすることが多いか

新しいマウスピースに交換した直後から数日にかけて、噛んだときにこわばるような、圧迫されるような痛みを感じることが多いようです。ズキズキと強く脈打つような痛みではなく、鈍く重い違和感として現れる場合が一時的な痛みの特徴として挙げられます。

いつ頃、どのくらいで和らぐことが多いか

多くの場合、マウスピースを交換してから数日のうちにピークを迎え、その後は徐々に和らいでいきます。次の交換までの間には落ち着いていることが多く、交換のたびに同じような経過を繰り返すパターンであれば、歯が動く過程で生じている一時的な反応と考えられる場合があります。

こうした痛みは、我慢し続けなければならないほど強いものではなく、日常生活や食事に大きな支障をきたさない程度であることが多いといえます。ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、少しでも気になる場合は次の通院時に伝えておくと安心です。

注意したい危険サイン

一方で、次のような症状がある場合は、一時的な痛みとして様子を見るだけでなく、歯科医師に相談したほうがよいと考えられます。

強い痛みが数日以上続いている

交換直後の痛みのピークを過ぎても強い痛みが続いている、あるいは日を追うごとに痛みが強くなっている場合は、歯が動く過程だけでは説明がつかない可能性があります。

口が開けにくい、大きく開かない

口の開け閉めがしづらい、あくびをすると引っかかるような感覚がある、といった開口の制限は、顎関節に負担がかかっているサインとして注意したい症状の一つです。

顎の音が新たに出てきた、または大きくなった

これまでなかった顎の音(カクッ、ジャリジャリといった音)が出るようになった、あるいはもともとあった音が明らかに大きくなった場合も、噛み合わせのバランスに変化が起きている可能性があります。

噛み合わせの違和感が強い

以前と噛む位置が変わった、特定の歯だけが強く当たる、左右のどちらかでしか噛みにくいといった違和感が続く場合は、噛み合わせが不安定なまま経過している可能性があります。

頭痛や耳の症状をともなう

顎関節や周辺の筋肉への負担は、こめかみの頭痛や耳のあたりの詰まった感じ、耳鳴りといった症状として現れることもあります。矯正中にこうした症状が新たに出てきた場合も、相談の目安の一つになります。

これらはいずれも、次の通院を待たずに相談したほうがよいかどうかを判断する目安であり、いずれかに当てはまったからといって必ず重い問題が起きているという意味ではありません。気になる状態があれば、早めに歯科医師に伝えて確認してもらうことが大切です。

なぜ矯正中に顎の症状が出ることがあるのか

矯正中の顎の症状には、単なる慣れの範囲を超えて、噛み合わせや顎の位置が関わっていることもあります。

マウスピース矯正の治療計画は、専用のソフトウェアが歯の動きをシミュレーションして作成します。この設計は歯並びを整えることを主な目的として組まれる場合が多く、一人ひとり異なる顎の位置や筋肉の状態までを十分に反映しきれないことがあります。歯の並びだけを目標に計画を進め、噛み合わせや顎の位置を確認しないまま歯を動かしてしまうと、噛み合わせのバランスが崩れやすくなり、顎関節や周辺の筋肉に負担がかかりやすくなる可能性があります。

もともと噛み合わせに偏りがあったり、顎関節に違和感を抱えていたりした場合は、歯の位置が動くことでその状態が表面化しやすくなることもあります。矯正を始める前には自覚していなかった噛み合わせの偏りが、歯が動く過程で明らかになるケースもあるためです。

こうした背景があるため、矯正中に顎の症状が続く場合は、歯の動きだけでなく噛み合わせや顎の位置の観点から状態を確認してもらうことが、その後の治療を安心して進めるうえで重要になります。

痛みがあるときにやってよいこと・避けたいこと

矯正中に顎の痛みや違和感があるときは、次のような点を意識しておくと過ごしやすくなります。

やわらかめの食事を選び、硬いものを強く噛みしめる動作をできるだけ避けることは、痛みがある時期の負担を減らすうえで役立つことがあります。あくびや大きく口を開ける動作も、痛みが強いときは無理をしない範囲にとどめておくとよいでしょう。

一方で、痛みがあるからといって自己判断でマウスピースの装着を中断したり、指示された装着時間を大きく減らしたりすることは避けたい対応です。装着時間が不足すると計画どおりに歯が動かず、噛み合わせが不安定な状態が長引く原因になる可能性があります。痛みが気になる場合は、装着を中断するのではなく、まず歯科医師に相談し、必要に応じて計画の調整や次のマウスピースへの切り替え時期について確認することが望ましいと考えられます。

早めに相談したほうがよい症状

矯正中に生じる顎まわりの変化の多くは、経過を見ながら対応できるものです。一方で、次のような症状がある場合は、様子を見すぎずに早めに歯科医師や医療機関に相談することをおすすめします。

強い痛みや腫れが急に出てきた

口が大きく開けられない、または急に開かなくなった

しびれをともなう

顎の音とあわせて、はっきりとした痛みが続いている

これらの症状は、噛み合わせの一時的な変化だけでは説明がつかない可能性があるため、自己判断で様子を見続けず、速やかに医療機関を受診してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 矯正中に顎が痛いのは普通のことですか

新しいマウスピースに交換した直後を中心に、一時的な違和感や軽い痛みが出ることは珍しくありません。ただし、痛みが数日以上続く、または強くなっている場合は、様子を見るだけでなく歯科医師に相談したほうがよい状態である可能性があります。

Q2. 痛み止めは飲んでもいいですか

痛みがつらい場合に市販の鎮痛剤を使うこと自体は珍しくありませんが、痛みが続く背景に噛み合わせの変化が関わっている可能性もあるため、痛みが長引く場合や繰り返す場合は、自己判断で対応し続けるのではなく歯科医師に状態を伝えることをおすすめします。

Q3. 今の矯正を続けて大丈夫でしょうか

痛みの程度や続き方によって考え方は異なります。一時的な範囲であれば経過を見ながら継続できることが多い一方、強い痛みや開口障害などが続く場合は、治療計画の確認や調整が必要になることもあります。自己判断せず、歯科医師に相談したうえで方針を決めることが大切です。

Q4. 他院で矯正中でも相談できますか

現在通っている歯科医院以外での相談を希望する場合は、セカンドオピニオンとして噛み合わせや顎の状態を確認してもらうという選択肢もあります。気になる症状がある場合は、現在の治療を担当している歯科医師にまず伝えたうえで、必要に応じて他院への相談も検討するとよいでしょう。

矯正中の顎の痛みが一時的なものか、注意すべきサインかを見極めたい方は、噛み合わせや顎の位置の状態を確認してもらうことをおすすめします。ご予約は当院の予約カレンダーより承っております。